入社以来未だオフィスに踏み入れていない自分の転職とオンボーディングについて

前回までのあらすじ

転職した: 新しい職場で半年経った

面接を受ける1年前 (2019年初頭) にカジュアル面談に行った時にオフィスを訪れて以来、面接から入社後に至るまで自分は一度も現職のオフィスに踏み入れていない。
転職から入社

転職活動

新しい職場を決めるにあたって重視した点は金沢からの勤務実現に前向きか同僚となるメンバーが刺激的かどうかの2つ。

これは以下に引くようにこれまでに言及してきた:

数年前に観光で訪れた金沢を歩いてから一目惚れしてしまい、自分がここで生活する想像をするうちに単なる夢想から具体的に実現することを考えはじめた。
これを書いている時点で、株式会社はてなの事業拠点は東京と京都のみであり、在宅勤務は育児や介護、その他会社が認めるに足る理由があるケースのみ認められている。
平時は週数日程度スポットでの在宅勤務はマネージャーと合意した上では認められている。またコロナ禍においては在宅勤務推奨となっている。ただし、継続的にフルリモート勤務というのは上記の通り認められる事例は限定的になっている。
このまま在職しつづけても実現が難しそうと判断したのが、転職を決意した最大の動機といえる。

株式会社はてなを退職

転職先を決めるにあたって一緒に働くメンバーから刺激をもらえそうかを一番重視した。
これは抜きん出たタレントを持っているとか輝かしい経歴を持っているかとかではなく:

  • 知的好奇心を持っているか
  • それがよく表出しているか (= アウトプットされているか)

……ということを重視している。

新しい職場で半年経った

転職ドラフト

上述の条件の他、漠然とWeb系で、くらいしか思い付かなかったのでとりあえず世にどんな企業があるのか知ろうと思い転職ドラフトに登録した。
当初は自分にスカウトが来るとしてどれくらいの条件なのか知りたい、くらいの気持ちだったけれど。

転職ドラフトに登録していくつかスカウトをもらってわかったことがいくつかある。

まず、提示される条件は自分の市場価値がどうとかより企業が儲かるかどうかが支配的ということ。
具体的には、スカウト文言の熱量の高さと年俸の高さに相関はあまりなかった (熱烈だけど低いというケースはままあった) し、額面は高いけれど明らかにこちらのレジュメ読んでいないなってわかるケースもあった。
考えてみれば当然ではある。
「リモートワーク希望、で少なくとも首都圏では働きたくないです」ってレジュメに書いてあるのに「当社の(都内の)オフィスにはこんなに福利厚生があって〜」みたいなことをスカウト文言に書いていた企業は申し訳ないけど笑ってしまった。

金沢から勤務したいっていう条件が折り合い付かなかったのでお断りさせていただいたけれども、PLAIDからのスカウトはこちらのレジュメに書いてあることをしっかり読んでもらえたことがわかって嬉しかったし好印象だった。(レジュメに載せた過去の発表内容や就労条件についてちゃんと言及いただいていた)
今回はマッチしなかったけれども記憶には残ったので、こういう細かい取り組みが強みになるんだろうなーと感じる。

企業探し

そんなわけで転職ドラフトに参加してみて、漠然と首都圏や近畿で働いても良いなら便利な仕組みではありそうだが自分の条件ではファジーすぎるので不適と判断して地道に自分で探すことにした。

まずremote-in-japanを眺めてみることにした:
GitHub - remote-jp/remote-in-japan: Tech companies in Japan that hire remote workers

よくまとまっていて便利。転職活動をはじめた2020年前半はCOVID-19の影響下にあり半ば緊急避難的にリモートワークをやっている会社も多かったけれども、やはり以前から運用している組織のほうがいろいろと不都合はなかろうと参考にした。

が、結論からいうとここからはマッチしなかった。事業会社かどうか・メンバーの魅力 (そもそも誰が所属しているかよくわからないとかあった) などを考えるとリモートワーク可以外の点で決め手に欠けた。

面接

けっきょく知人の所属している・していた数社にカジュアル面談を設定していただき、さらにそこから合いそうだと感じたいくつかの面接を受け、最終的に現職の内定をいただき受諾となった。
面接はすべてzoomなどを利用した。

入社後

全社的に半強制的なリモートワークにあった (ある) ので、オフィス勤務時のように黙って座っているだけで新顔だなって覚えてもらう機会はなく、能動的に行動しないとかなり仕事しづらいだろうと考えていたのでとにかく存在感を出して認知してもらうことを考えた。

特に自分は基盤バックエンドというサーバサイドのお困りごと全般をなんとかするというプロダクト横断のチームに配属されたので、考えなしでいると薄く広くという関係構築になることが予想されたのでかなり気にかけた。

Slackで存在感を出す

リモートワーク環境においてはチャットで見かけるかどうかが良くも悪くも存在感に繋がると前職から感じていたので、まずSlackでの認知を高めることにした。

xxx-zassouのようなカテゴリごとの雑談チャンネルがいくつかあるので、とりあえずそこで絵文字のreactionをつけるくらいから始める。
reactionをつけること自体が認知に繋がるとは思えないけれど、とりあえず自分がそのチャンネルの雰囲気に馴染むことを目的として絵文字をつけていった。

慣れてきたら発言したり。分報チャンネルで仕事するのはやめよう高校出身なので、用意されていた *1 分報チャンネルのtopicは「社内Twitterです」と書いて未だに仕事の話はほとんど書いていない。archiveしても良い気はしているけれど、思いがけないコミュニケーションが生じていてこれはこれで惜しいのでそのままにしている。

しかし振り返ってみても「あとはがんばる」以上の取り組みをしていないな。

顔出し

zoomやGoogle MeetなどでのWeb会議ではカメラの映像を映すようにしている。
少しでも情報量が増えたほうが相手に認知してもらうフックは増えるので出したらいいかと思ってそうしている。

実際「そのフリースHaglofsですか?」とかフックが生まれたりしているのでわりと良い取り組みなのだと思っている。

まあこれは自分が必要性を感じているから苦に感じないのであって、結果が同じでも会社に「出しましょう」って言われたらエッとなりそうだなとは思う。
ので、こういう良い変化はありましたよとは書くけれど無理に勧めることはしない。

文化のすりあわせ

よく中途で入った人は「新しい風をもたらすことを期待しています」と言われるし、実際言われたけれど、しかし新しい風がなにもかも良いかというとそうではない。
なにより「前職ではこうやったで」おじさんは、たとえ言っていることが正論であっても量が過剰だったり、現職へのリスペクトがないと鬱陶しがられるだろう。

もたらす情報:受け取る情報 = 3:2くらいの割合を心がけた。根拠は特にない。求められていることに違いはないだろうから、
あと単にまだ知らなくて知っておいたほうが良いこととの比ってこんなものかな? という印象。

いかがでしたか?

開発者ブログの再興とか調整事も必要なプロジェクトを提案して軌道に乗せられていたりと、本来のパフォーマンスを発揮するには3ヶ月くらいはかかるという定説から外れてわりと良い仕事ができているのでうまいことやれていると評価して良いでしょう。

もちろん現職が提供してくれたオンボーディング施策によるところも多分にあるだろうから、ここに書いたことが結果のすべてだとは思わないけれども。

初めての転職がフルリモート下というわりとハードな状況のわりにはよくやっていると思うので自信にはなった。

*1:事前に作られていた