金沢に引っ越して1年が経とうとしている

この記事は地方在住 Advent Calendar 2021の10日目の記事です。

筆者について

……と移り住んでいます。

大阪府は進学で、京都市は就職でそれぞれのタイミングに合わせて移住しました。

金沢移住は転職と機をほぼ同じくしていますが、勤務先は金沢近郊ではなくリモートワークです。このあたりの背景は以前に書いたのでそちらをご覧ください。 端的にいえば観光で訪れた金沢に惚れて住んでみたくなったからです。

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変わったところ

車に乗るようになった

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これは必要になったからという理由が2割くらい、趣味に目覚めたからという理由が8割くらいです。元々、自動車免許を持っていなかったのでまず教習所に通い、秋に交付されました。

教習所に通っていたころの日記はこちらをご覧ください: aereal カテゴリーの記事一覧 - karimenの日記

後述するように金沢は降雪・寒冷地帯です。また冬に雨がとても多い地域ですので、京都時代に日常の足としていたロードバイクでは勝手が悪くなります。

また、地下鉄やJR, 各種私鉄網が発達していた京阪神に比べると公共交通機関カバレッジは北陸三県に広げて見てみても低いと言わざるをえません。 身軽な旅行が好きな身としてはより強く時刻表に縛られるようになり窮屈に感じます。

最後の趣味というのは車それ自体を楽しむことが目的になった、ということです。元々、ロードバイクでツーリングやヒルクライムは好きだったのでスポーツ走行に対する関心の芽はあったのだと思います。

そんな折にMAZDA3という車を知り、一目惚れしたので免許を取ることを決意し最近乗りはじめました。

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車が無くとも一人暮らししている分にはさほど困りませんが、地域の特徴を見るに少なからず不便は被るでしょう。

雪が降る、冷え込む

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降雪・寒冷地帯ですと述べました。京都市は年間を通して比較的温暖です。冬は緯度の割に冷えたり雪がちらつくことはありますが、少なくとも市街地においては大しことはないです。 京の底冷えという表現がありますが、少なくともここ最近では際立って低温というほどでもありません。

ただし夏はとても蒸し暑い地域で、そのため住宅の構造もそれに応じたものになっています。二重窓はまず市街地では設定されていません。なので、実は屋内の体感温度は金沢の方が温かく感じます。

また京都市より明らかに降雪量がピーク・平均ともに多いです。が、それゆえに公営の除雪車や融雪設備は比較的充実していますし、車両のスタッドレスタイヤ等の装備率も高いとされているので交通が麻痺するほどではないようです。

ただ北海道出身なのであまり積もらずシャーベット状の路面が広がる様は新鮮です。どちらが良いというようなものではありませんが、根雪になる北海道の方がさまざまな点で歩きやすいようには思います。

変わらないところ

荷物の配達

北陸といえど本州なので、各種運送業のみなさまのおかげで特段の不自由を感じずに暮らしています。

ただ2021年1月の大雪などで交通が麻痺した時はさすがに遅れが生じていましたが、これは仕方のないことですし、予想できたことなので大事ではありません。

良いところ

のと里山海道という最高の自動車専用道がある

石川県/のと里山海道の紹介

のと里山海道金沢市能登半島を結ぶ自動車専用道です。無料化された自動車専用道というと片側一車線ずつで線形もよろしくない一般道と大差ないようなところを想像しがちですが、日本海沿岸を走るおよそ35kmの区間は二車線ずつで速度制限は80km/hのかなり高規格な道路です。

晴れた日に走ると視界の片隅に日本海と水平線を入れながら穏やかにドライブできとても快適です。前述したように免許とりたて・マイカーを買いたての身なので運転に慣れる格好の機会です。

元々有料道路だったのですが、北陸新幹線延伸に伴い無料化されました。

土日は兼六園に入り放題

毎週末は石川県民であることを公的証明書で示せば入園料が免除されます。

兼六園の県民観賞の日(毎週土・日曜日) 石川県民は、毎週土・日曜日は入園料免除となります。

ご利用案内|兼六園より

のと里山海道と併せて住んでいる自治体に税金を払う甲斐があるというものです。

微妙なところ

舗装が荒れている道路が散見される

特に157号線・159号線のそれぞれ尾山神社付近や尾張町付近が荒れていてロードバイクで走っていると振動で手が痺れてきますし、ハンドルがとられそうになります。

車通りが多いエリアでもあるのでかなり緊張感があります。できれば走るのは避けたいほどです。

冬に冷え込み、夏は猛暑日にもなるので寒暖差が激しく厳しい気候ではありますが安全のためメンテナンスは十全に行ってほしいです。

総括

1年近く金沢に住んでみて、概ね予想していた体験が得られています。 公共交通機関を頼った生活はできなくなることは想定済みですし、スーパーやコンビニ、そしてAmazonがあれば変わりのない生活が送れるだろうという期待もほぼその通りです。

意外な点としては、自身が実感を持てるほどにこの地域に愛着が湧いているということです。ひとえに払った税金が体感できるかたちで還元されているからでしょう。 そういった意味では京都市は「どうせインバウンドの観光客のために費されるのだろうな」という怒りとも諦めともつかない感情で見るしかありませんでした。

ふるさと納税のような制度が敷かれていますが、けっきょくのところ人生の時々の曲面において長大な時間を費す居住地域に気持ちよく納税できることが最も望ましいと考えているので、そういった意味でも今の金沢の生活は気に入っています。

一方、金沢に骨を埋めたいかというとはっきりとした答えはもっていません。 せっかくフルリモート勤務でそれなりにやっていけるということがわかりましたし車を持ったので、もっといろんな地域に住んでみたいという気持ちがあります。