YAPC::Hiroshima 2024に参加し「好きな技術《コト》で、
生きていく技術」という話をした。

トークについて

speakerdeck.com

『好きな技術《コト》で、
生きていく技術』という題で話した。技術選択にどんな筋を通すか、技術選択というものを通じて職業人・趣味人としてどういう人生を送るか、という話。

YAPC::Kyoto 2023で聞いたid:ar_tamaさんのあの日ハッカーに憧れた自分が、「ハッカーの呪縛」から解き放たれるまでというトークが良かったこと・それがYAPCのコミュニティに強く受け入れられたことに思うところがあり、今までしたことのない系統の話題を話してみようと思った。

自分にとってとても挑戦的だったのでid:ar_tamaさんにお礼を言うことがYAPC::Hiroshima 2024の目的のひとつだったので、懇親会で無事に果たせてよかった。改めてこの場でもありがとうございます。

2つ前の同じ部屋でid:Songmuさんの「Blogを作り、育み、慈しむ - Blog Hacks 2024」というトークでも、砂場としてのブログの良さの話が出てきてシナジーを感じたので咄嗟に資料に追記するなど、こういうライブ感がカンファレンスで話す醍醐味。

what you likeというテーマからよく連想されるように、こういう技術選択に関する内容の応募は多く、正直落ちるだろうと思って慌てて別の内容でもうひとつプロポーザルを出したのだけれども、結果的にはこちらが採択された。

一際倍率の高い今回のYAPCの中でもこの手の話題のトークとして採択されたことをとても嬉しく思っているし、だからこそベストトーク賞をいただけなかったことがかなり悔しい。

これまで自分がカンファレンスに登壇する際は、基本的に作ったソフトウェアをひっさげて話すことばかりだった。その方が話しやすいというのはもちろんあるし、何より戦士たるもの拳のぶつかりあいですべてわかるみたいな気持ちもあった。

作ったモノがあると懇親会で「これうちでも欲しい」とか「こういう先行事例があるよ」といった話が聞けたり、後日実際に使われたりPRをもらったり……など題材としたソフトウェアで世界と繋がれる。だからトークそのものの反応というのは二の次で良いかと思っている。

一方、考え方を軸にしたトークが世界と繋がるには、聴衆の考え方・心を動かして大仰に言えば人生観を少しでも動かさなければいけないと考えている。

それを測るひとつの基準としてベストトーク賞が考えられるし、YAPCに参加して10年目だし、一度くらいはオーディエンスのことを目一杯意識したトークをしようと思い立った。

トークを良いかんじに組み立てるためにid:Soudaiさんに壁打ち相手になってもらい数ヶ月前から内容を練るなど、今まで体験したことのない取り組みができたのは良い経験になった。

だからこそ受賞に至らなかったことはただ悔しい。でもid:mitani49さんのVISAカードの裏側と “手が掛かる” 決済システムの育て方はおもしろかったしただただ納得。

次までに刀を研いでおきます。

YAPCについて

YAPC::Asia 2013 で『Vagrant と Chef で プログラマブルな 開発環境をつくる』話をした - Sexually Knowing

初めて参加した大きなカンファレンスがYAPC::Asia 2013で、初めて参加したYAPCも2013. つまり個人的にYAPC10年目ということになる。10年か……。

こういう思い入れもあり先述のように今回のトークには特別思うところがあったといえるかもしれない。

自分は首都圏に住んだことがないし、あまり人脈を広げるほうでもないので、こういうカンファレンスに参加する度に1人か2人は初対面の人が増えるので、10年以上こういうコミュニティに参加していても旧交の温めばかりになっていない。これってけっこうえらいのでは?

他に聞いたトークはいろいろあれど、とほほさんのキーノートはただただすごかった。まずけっこう80年代からゴリゴリにコンピュータと仕事しているという話がおもしろかったし、ちょくちょく挟まる話もいちいちインパクトが強かった。当時のUNIX向けにTCPスタックを実装したよ、とかさらりと触れられていたけれど、それひとつで余裕でトークになるのでは?

「どうして続けられるのか?」という問いに淡々と「好きだから続けられる」と答えていらっしゃったのが印象的で、言葉尻は飾っておらず平凡と言ってさえよいが、一連のトークを聞いたあとだと凄味すらあった。 これだけで広島に来てよかったと確信している。

旅行について

薄々感付いていたけど、車に乗るようになってからパッキングが冴えなくなった。

具体的には今回、ダッフルバッグと会期中に使うバックパックとボディバッグを持っていったのだけれど、たとえば駐車場からホテルに移動する時にバッグが多くて大変だった。

公共交通機関を使う時は基本的にバックパックひとつで済むよう持っていくものを厳選したり工夫を凝らしていたけれど、なまじ荷物を運ぶ空間が贅沢になったせいで怠惰になっている。

たとえ車移動であってもパッキングを突き詰めれば、たとえば自転車を積んでいく余裕などが生まれて出先でできることも変わってくるのでここらで意識を改めたい。

広島について

懇親会などで自然とそういう話になったのだけれど、京都を出てどこかに移住しようと考えた時に最後まで金沢市と迷ったのが広島市だった。

それくらい好きな街で、やはり水に囲まれた街は良いですね。金沢より栄えていて、公式懇親会の後にN次会をやるぞとなった時になんだかんだ深夜にやっている飲み屋がそこそこ見つかるのはすごい。

車に乗るようになると、都市高速が走っているのはけっこう驚くというか、発展度合いとしてはけっこう上のほうなんだよなということを思い出す。 しかし自分は金沢くらいの静かさがちょうどいい。

あと愛車の里帰りでもあるので、マツダミュージアムを見学したかったのだけれど土日はやっておらず月曜日はとっくに埋まっていたのでチャンスはなかった。日曜日で本社も閉まっており聖地巡礼もできなかった。次回以降の宿題とします。