トークしつつ、トークを聞いたりなどした。
1日目
いろいろ聞いたけど印象的だったトークについて。
kazuho さんの発表を初めて見た。声が高い。
僕は大学を中退していてアカデミアどころか学部の卒業論文がどういう雰囲気なのかよく知らないけれども、論文やベンチマークなど根拠となるデータが必ずあってそれを軸に話がなされるので、けっこう速いペースにも関わらずすんなり聞くことができた。
アセットコンパイルを行う動機はリクエスト数を減らすだけではないので必ずしも HTTP/2 によってアセットコンパイルという考え方が無用の長物になることはないだろうと思った *1。とはいえ、言及されたように考え方を変える必要はあるだろうと思う。
言ってしまえば高々60分に満たない時間で HTTP/2 について一本筋の通った理解が得られたのは、事前に断片的な知識が自分にあったことを差し引いてもすごいことだな、と思った。
また、発表の内容自体もさることながら、自分の中で「わかりやすい」「聞きやすい」プレゼンテーションの具体例がひとつできたのも尊い。
WebAudio と信号入門の話。
「今まで Web エンジニアはディスプレイという限られた光情報しか操ることしかできなかったが、WebAudio によって空気を振動させディスプレイを越えて影響を及ぼすことができる」という風なことをおっしゃっていた。
少しおどけた風だったような気がするけれども、実際、胸を打たれた。僕はわりと音楽が好きで音が出ると喜ぶので WebAudio が Web API に入るときはおもしろそうだ、と思ったけれどもそれ以上のことは考えられなかった。
音波とか音響に関する知識はわずかながらあったけれども、信号の話は不明だったのでとてもおもしろかった。とてもエンターテイナーだなあ、と感じた。
2日目
タイトルにある通り Go におけるプロファイリングおよび最適化の話で、それはそれでもちろん参考になったけれども、思いがけずライブコーディングを見ることができてとてもよかった。
ごく個人的な感想
2012年にチケットを買っていて行くつもりだったけれどもぎりぎりでやめて、別の人に譲った。2014年も参加しなかった。どちらの年もトークを応募しなかったから。
自分はエンジニアで普段からインターネットなどを通じて情報を得たり OSS コミュニティからソフトウェア資産を享受し (つつ、わずかながら還元し) ており、では YAPC のようなカンファレンスで自分が果たせる役目とはなんなのかと問うてみると、おもしろトークをすることだと思っている。
また、そうやってトークをするという形で還元することをイベントに参加する条件として課しているのは「お客様気分」を持たせないためでもある。YAPC は有料のイベントなのでなおさらである。
YAPC::Asia Tokyo にて2回スピーカーとして登壇できたことはとても褒まれ高いことだと思っている一方で、YAPC::Asia Tokyo に区切りがついたとしてもそういったコミュニティへの還元への考え方は変わることはないだろう。
おもしろトークのために技術を磨いていかねば。
みなさまお疲れさまでした。
*1: たとえば browserify などはブラウザにおける JS 実行環境においてモジュールシステムがないことに対するアプローチである