#builderscon tokyo 2019で「自動作曲入門」について話した

自分のトーク

speakerdeck.com

デモはこちらです: musik

社内勉強会でやったトーク (『Scalaで自動作曲の練習』を社内勉強会で話した - Sexually Knowing) をベースにしています。 自分は資料を使い回して登壇することに強い抵抗を感じるので心苦しくあったのですが、社内勉強会から飛び出して広いところでぜひ話したいという思いがある一方で、ここから進んだ話をスクラッチから立てるのは今は厳しいという評価もあったので、折衷案としてトークの内容はほぼそのままに、きちんと動くデモを作りなんなら登壇するその場でメロディをつけるくらいのライブ感を出すくらいはやれたら自分も納得できそうだということでproposalを出し、トークする場をいただきました。

当日はWeb Audioを使ったデモはうまくいったのですが、MIDIキーボードを挿してメロディをつけるところはうまくいかなかったのでそれだけ心残りです。 Oscillator nodeのゲイン調整をしておらず音が大きすぎたため、メロディが鳴っているはずだけどほとんど聞こえないということが起きていました。ちゃんとGain nodeを繋げたらよさそう。

正直、目新しくも高度でもない話なので失望されないかドキドキしていましたが「おもしろかった」「やってみようかと思った」といった感想をいただけて登壇冥利につきます。

トークを聞いた方・このブログを読んだ方はぜひaereal/musikをforkしておもしろコンポーザを作ってください!!!

聞いたトーク

当日朝までデモを作るなどした結果、時間も体力も尽きてあまり聞けなかったのが悔やまれます。

Open SKT: メルペイ開発の裏側 - builderscon tokyo 2019

メルペイのオンボーディング内容をベースに公開できる内容にしたということで、まずオンボーディングプロセスが充実していることに驚きました。

個人的には分散トランザクションを伴う決済システムを開発しているので、わかる〜〜〜と思いながら、やっぱりある程度泥臭くなるよね、と安心しました。

コンパイラをつくってみよう - builderscon tokyo 2019

DQNEOさんによるコンパイラを1から作るライブコーディング。

Goのscannerなども使わず、コアの部分はほぼスクラッチから書いていくかんじで他の言語でも実践できそうなつくりなのが真似しやすくて親切設計でした。

会場から「そこtypoしています」とかやりとりがあったり、ライブ感があってめちゃくちゃ楽しかった。

Ruby (off|with) the Rails - builderscon tokyo 2019

僕はこのトークを「Railsに乗る = 使わされるだけではなく、ツールとして使う対象にする」「守破離」という趣旨だと理解しました。

普段、Railsを使わない立場 (業務で書いた経験はある) なので「大変そうだなー ActiveRecordが向いていないところもけっこうあるよなー」とわりと対岸の火事気味に聞いていましたが、一方、ライブラリ・フレームワークを使う上で一般的な話だとも思います。

つまりライブラリの事情などを抜きにして、責任の分離など抽象度の高い設計の作業を行い、それを実装へ落とし込む際に設計で果たしたい分離や凝集を壊しそうなライブラリの機能 *1 はこれとこれがありますね、というような思考を辿っていくもので、Railsユーザー以外でも得るものが多い内容でした。

Building, and Upkeeping Super Kamiokande - builderscon tokyo 2019

事前から楽しみだったし実際にめちゃくちゃおもしろかったトーク

実はこのトークを聞くまでスーパーカミオカンデが何なのかよくわかっていなかったので、そういった点でもdiscover something newが果たされました。

基礎物理学の世界の遠大な観測対象であっても、個々は素朴な技術 (センサー) と素朴な役割のソフトウェアシステムでできあがるというのがおもしろい。ただそのスケールがめちゃくちゃに大きいというのが興奮します。

11月に一般公開があるみたいなので申し込みます。いやーよかった。

北千住

事前の公式ブログで北千住駅の案内で脅かされていたり、足立区はなかなかラディカル *2 な土地だよと聞いて、トラブルに巻き込まれずに済むのか内心ヒヤヒヤしていましたが、無事どころかずいぶん楽しいできごとが多くて好きになりました。かなりホーム感がありました。

駅の近くにクラフトビールのお店がいろいろあったり、雑なところからそこそこのところまで飲食に困らなかったり、なにより荒川が近いのが良い。

川で飲んだりすることはけっこう奇行じみていると思われがちだけど、実質立食パーティみたいなもので、席に囚われず歩きまわっていろんな人と話せるというとても合理的なかたちでかなり好き。 懇親会が終わったあと20人くらいで荒川に移動したけど、飛び込みで20人も入れるお店はなかなか無いと思うし、見つかっても近くの席以外の人と話すのはなかなか難しいと思う。 出入り自由で、飛び入り参加したければ任意でお酒や食べ物を持ち寄るだけでよく実質プリペイドなのも気軽。

他人との距離、たしかにという感じ。居酒屋だと近すぎて疲れるけど、川だと自由に歩いて離れられるから気が楽、とかある。あとは、クラブとか行くとうるさいから距離近くなるとかある気がする。 かくれた次元 - hitode909の日記

鴨川でビール飲んでた.15人くらい来てくれた.

コンビニでクリスマスケーキ買って川で立ってケーキ持ってたら雪降ってきて最高の誕生日みたいな感じだった.前回は寒すぎてすぐ店に入ってしまったけど今回は暗くなるまで川にいられて自由に歩きまわって会話できてよかったと思う. ■ - hitode909の日記

荒川はとても広く地元の石狩川を彷彿とさせるスケールで、懐しい顔ぶれと話しているシチュエーションも手伝ってやけに楽しくちょっと懐かしい感じがした。

*1:いわゆるハマりポイントと呼ばれがちなもの

*2:婉曲しています