退職する時に同僚からフィードバックをもらう

退職するにあたって、人事評価とかそういった枠組みをすべて取り払って去る自分に対して言い残したことがあれば伝えてほしいなと思い、自分がどう見えていたかをGoogle Formによるアンケートというかたちで同僚に乞い、ありがたいことにたくさん送ってもらえた。

設問は:

  1. 業務上なんらかの形でaerealと関わったことがありますか?
  2. あなたは aereal と働くことをどのくらい友人や知人に薦めると思いますか?(仮に自分に似た価値観の友人や知人がいたとしてお答えください)
  3. 上記スコアを付けた理由を教えてください。またそのスコアはどうすればもっと改善すると思いますか。
  4. ソフトウェアエンジニアとして見た時、aerealの良い点・望ましくない点・その他感じたことがあれば教えてください
  5. 戴いた回答の一部または全部を引用し、ブログなどで外部に公開することを許可しますか?(引用する際には内容から個人を特定できないようにします)
  6. その他、言いたいことがあれば何でも書いてください(例: Xの引き継ぎ頼む、Yをやり残している etc.)
  7. よければあなたの名前を教えてください

の7つ。2つ目の設問以外はすべて自由記述式なので回答者の負担にならないよう、すべての項目を省略可とした。
「あなたは aereal と働くことをどのくらい友人や知人に薦めると思いますか?(仮に自分に似た価値観の友人や知人がいたとしてお答えください)」という項目は10段階評価。

「薦めると思いますか」という評価とそれぞれのコメントを突き合わせると「『これがあればもうちょっと』の幅がこういうかんじなんだなあ」とわかって思っていた以上にフィードバックとして高い質になっているなあと感じた。

おもしろかったのはパーソナリティについて:

  • 何を考えているかわからない
  • 怖い、とっつきにくい
  • 穏やか、優しい

と、かなりまばらなフィードバックを受けたこと。

企画の方やあるいは仕事上のやりとりが少ない・薄いメンバーは「穏やか、優しい」、エンジニアからは概ね「怖い、とっつきにくい」、マネージャーからは「何を考えているかわからない」「怖い、とっつきにくい」といった評価が多かった。

これは自分でも得心がいっていて、オフに近い時だったりロールや職能の軸にある考え方が違うと認識している相手にはオトナの顔ができているのでそういった相手には穏やかとか受け取られるのだろうし、自分は仕事をする時に機械になりたいしウェットな面は別に見せる必要がないと思うタイプなのでマネージャーからは不気味に見えるのだろう。

そして、同じエンジニア相手にはアウトプットや振る舞いに甘さや妥協が見えると「もっとこうすれば良くなるよ」という上昇志向が溢れすぎて怖いと思われるんだろう。
言い方がめちゃくちゃ意識高いというか美化しているようにも見えるけれど、要するに相手からすると正論で殴られているに近いんだろうと思うので、そりゃプレッシャーを感じるだろう。

いちおうマイルドにしようという意識はあって努力はしているものの、ソフトランディングさせるために婉曲な物言いをするのも違うと思うのでとる手段が「一度にあれこれ言わない」くらいで、それも相手によっては「なんかいかにも物言いたげだけど黙って呆れたか我慢しているんだろう」というのが透けて見えたりして、対処になっていなかったりするんだろう。
まあ、なにもかも変えるべきとは思わないけれども、そんなに変なことは言っていないはずなので、輪郭の問題で咀嚼されにくいことがあるなら呑み込みやすい工夫はしたい。

ちなみにこれはQuipperでのオフボーディング実践入門を見て真似したいと思ったのでそれにインスパイアされた:
quipper.hatenablog.com

以下、個人的に印象だったコメントで公開することを許可されたものをいくつかご紹介:

なんか、きっと、「まだ中堅としてうまく立ち回るより、もっと前線を張りたい」というイメージがあるのかなぁと思っており、その面では転職というのは正解だったと思っています。(社内だともう中堅ムーブをどこでも求められると思う)

まったくそのとおりです。もちろん中堅としておもしろい立場を振ってもらえることも多く嬉しい一面もあったのですが、良くも悪くもそういった印象・評価はコントロールしようがないのでハードリセットをかけたかった、というかんじですね。
良く見てくれているなあと思い嬉しかったです。

aerealさんは、はてなに入社する前からブログなどで見かけて「この人、はてな好きそうだなぁ」という印象があったため、入社したのを知ったときに謎の納得感があったのを覚えています。そんな「ザ・はてなのエンジニア」な人の退職というのは、ちょっとした一時代が終わった感があり、非常に感慨深いです。(略)残された者としては、この衝撃で崩壊してしまわないように気を引き締めていこうと思います。

こんな風に高く買ってもらえるなんて光栄です。インターネットヒーローになりたかったので、社内とはいえこんな評価をしてもらえるなんて報われたのでしょうか。

一方で、ものごとの粒度が荒く、それに対しての説明ロジックが十分成立していない場合でも、(本人は意識していないのかも知れないけれど)ロジカルさや正確さを求められて、会話の温度感のなんとなく溝が埋まらない、という場面はあった気がする。歩み寄ってくれる感がちょっと弱いというか。
そういう意味では、技術に疎かったり勢いで押すプロデューサーなんかだと「扱いに困る」ところがあるのでは、と思ったりはします。

これもまったくその通りですね。メタな期待設定というのを今思い付いたけれど、これはどこにどう着地させるのが良いのか。
安易にやると単に人を値踏みすることになりそうなので慎重になりたいけれども。しばらくの課題・テーマとします。

最後に、フィードバックいただいた同僚のみなさまありがとうございます *1

*1:しれっとまだフォームは開けているよ