npm install -g gulp とかしない流儀

gulp とかを使っているプロジェクトの場合、ビルドツール類も devDependencies に含めてバージョンを固定したいという要求があると思う。

ところが実行ファイルにパスを手軽に通したいという理由のみで npm install -g gulp などしてしまうとバージョンが固定できなくなってしまい、本末転倒である。

とはいえ ./node_modules/.bin/gulp build してくれ、というのも面倒であるので、どうするとよいのか書いておく。

node_modules/.bin に自動でパスを通す

たとえば direnv を使う。

# .envrc
export PATH="$(npm bin):$PATH"
direnv allow

.envrc は作業ディレクトリを移動した時に評価されるので、npm bin の出力が異なる環境でもそれぞれうまく動く (はず) なのでリポジトリに含めてもよい。

package.json の scripts フィールドを使う

package.jsonscripts フィールドに定義したタスクは npm run NAME で実行できる。

また、この scripts フィールドに定義したタスクの実行時には node_modules/.bin にパスを通した上で実行される。

In addition to the shell's pre-existing PATH, npm run adds node_modules/.bin to the PATH provided to scripts.

run-script | npm Documentation

統一されたインターフェースを用意するという意味でも scripts フィールドは望ましい。

結論

direnv と scripts フィールドは役割が少し異なるので、どちらか一方のみを利用するということもなく両方活用できるとよさそうですね。

#小学生のときにやってた悪夢っぽいこと選手権

スコアメーカーという楽譜入力ソフトがあってこれを買ってもらって遊びはじめたところ、MIDI というもので勝手にコンピュータに演奏させることができるとわかって大喜びしはじめた。

ひたすら入力して演奏させる。アーティキュレーションが思ったかんじではないので調整してまた聞く、の繰り返しを土日のあいだ飽きることもなくやっていた。

小学生を卒業したころだったかもしれないけど、ヤマハがミッドラジオプレイヤーというソフトを公開した。

ミッドラジオプレーヤ

ミッドラジオプレイヤーはソフトウェア音源を内蔵していて、スコアメーカーに再生させるよりずっとリッチな音色になるし、なによりそれが無料で使えるのでヤマハ最高! と唱えながら毎日使っていた。

その後に MP3 というものの存在を知ることとなる。MP3 はダウンロードに時間がかかるけどなにやらきれいな音で MIDI が聞ける、という理解のものだった。

後に MP3 は音声を録音するためのフォーマットのことであり、自分が言っていた MP3 はいいソフトウェア音源の演奏を録音したものだと知る。わからなかったことがわかってよかった、と思う一方で、自分が MP3 を作れたとしてもソフトウェア音源を買わなければいけないことを知ってがっかりした。

しかし自分にはミッドラジオプレイヤーがあった。ミッドラジオプレイヤーで再生してそれを録音すればいいということを思い付いたときは自分が天才かと思った。

作った曲はヤマハの音楽投稿サービス (もうなくなった) に投稿していた。

www.itmedia.co.jp

打ち込みしてるうちにいい曲ができたので、中学生にあがってから朝日作曲賞に応募したことがあった。

打ち込みしていたのは悪夢っぽくはないけど、できた曲のことを思い出すと悪夢っぽい。

近況

YAPC::Asia Tokyo 2015

yapcasia.org

採択された。

App-xslatert と Text-Xslate-AST-Walker

github.com

App-xslatert というツールを作り始めた。

App-PRT を便利に使っていて、Perl のコードのリファクタリングはだいぶ楽になったので、テンプレートのリファクタリング、たとえば変数名を変えるといったことを同じような使い心地で行いたいと思ったので作り始めた。

github.com

前に作った Text-Xslate-AST-Walker を使っている。AST を変更する機能が必要になったので issue の優先度を上げたりした。

github.com

mackerel-agent で便利に使える OS X 向けプラグインを Homebrew でインストール

github.com

mackerel-agent-plugins-osx というリポジトリを非公式に作って置いておくという活動を前からしている。今のところをバッテリ残量をホストのメトリクスとして投稿できるのみ。

これを新しい MacBook にインストールする上で手軽にしたいと思って、Homebrew の Tap を作った。

github.com

どうぞご利用ください。

OS X のセットアップを Ansible にだいたい任せる

新しい MacBook Pro がやってきたのでセットアップの記録を書いておく。

「だいたい」とあるように、実際のところ自分の手を動かさざるを得ない手順はまだまだあるし、むしろ増えたりもしている。

手順

  • App Store.app で Xcode をダウンロード
  • System PreferencesSecurity & PrivacyFirewall からファイアウォールを有効にする
  • System PreferencesSharing を開く
    • Computer Name を変更する (今回は izanagi にした)
    • Remote Login を有効にして sshd を起動する
  • Ansible Playbook を現マシンから SSH 越しに適用する
  • System PreferencesKeyboardModifier Keys ... から caps lock を control に (後述するが OS X におけるこの修飾キーの設定の扱いは思ったよりも込み入っていたので手作業することにした)
  • Xcode.app を開いて additional components と以下をインストール:
  • System PreferencesSecurity & PrivacyPrivacyAccessibility から Karabiner を許可する
  • (再度 Ansible Playbook を適用する)
  • Alfred の Powerpack License を入力する
  • Dropbox に認証情報を入力し同期させる

Ansible の Playbook について

github.com

今回、スクラッチから書いてみた。

以前にも Playbook を書いて公開しているのだけれども、Ansible の雰囲気に慣れながら書いていったものなので「今だったこう書くな・こう分けるな」と思っていたことと、Playbook に書いていた設定やインストールすべきソフトウェアにけっこう手垢がついており本当に必要な設定・ソフトウェアだけに絞りたい、という目的があってスクラッチから書いた。

また、前に書いた Playbook では別のホストでも実行できるような汎用性を持たせようとしていたけれども結果的に破綻して実現できていなかった反省とそもそもそのような汎用性は用途上不要だと考えて、今のマシンに特化させることにした。

書く時に考えた果たすべき冪等性の基準として「変更を加えない限り何度実行しても失敗しないこと」を掲げた。

「失敗しないこと」が意味するものは、Ansible の出力が failed にならないこと。

Ansible では task を実行した結果、副作用が及ぼされると changed というステータスになる。

Ansible のコアモジュールでは設定で記述した状態に既に収束していた場合、変更は実際に行わないように書かれている。

また、「変更を加えない限り」というのは、たとえば ssh でログインしてディレクトリが既に作られている場合などを特別に考慮しない、ということ。だいたいは Ansible のコアモジュールがカバーできるし、それらでカバーできない場合はおそらく自分でひとつモジュールをひとつ作るに相当する労力をかけることになるので、それはコストに見合わないと考えた。

また、前提条件をはっきりさせておかないと考慮すべき条件が爆発するという問題もある。

OS X の修飾キーの設定について

apple.stackexchange.com

上記 stackexchange のスレッドに書いてあることがすべてだが:

  • Property list でキーボードの修飾キーを設定する際には識別子が必要
  • MacBook シリーズの本体備え付けのキーボードは内部的には USB 接続のデバイスとして識別されている

……ということらしく、けっこうめんどうそうだったので諦めて手作業することにした。

Path::Tiny を継承する

Path::Tiny - search.cpan.org

Path::Tiny には new という、いかにもオブジェクト指向的なコンストラクタのような名前のメソッドが定義されているのでいかにもオブジェクト指向的に継承できるように見えるが結論から言うと できない

sub new { shift; path(@_) }

Path-Tiny/Tiny.pm at 37c371dbd100d82968b57bafc52222463ceb53bd · dagolden/Path-Tiny · GitHub

This is just like C, but with method call overhead. (Why would you do that?)

とあるので、ドキュメントにある通りとも言える。

どうしても継承したい場合は再度 bless を呼べば上書きされる。

package My::Path;
use parent qw( Path::Tiny );

sub new {
  my ($class, $path) = @_;
  my $self = $class->SUPER::new($path);
  return bless $self, $class;
}

Git で特定のリビジョンから tarball やディレクトリを作る

git-archive を使うと worktree に変更があるかどうか (dirty かどうか) を気にしなくてよくて便利。

moznion.hatenadiary.com

上記のようなことをやってみた例:

gist.github.com

Jenkins の REST API

  • http://JENKINS_HOST/job/JOB_ID/api/json
    • 設定されているパラメータとか見える
    • 最近のビルドとか見える
  • http://JENKINS_HOST/overallLoad/api/json
    • 負荷統計が見える
    • http://JENKINS_HOST/load-statistics で見えるのと同じ?

GitHub の Deployments API を使ったデプロイのワークフローのイメージ

GitHubDeployments API を使うと Web アプリケーションのリリース (デプロイ) に関わるワークフローをより便利にできそうだったので、試したことを記録する。

Deployments API でできること

すべてドキュメントに書いてあるが、かいつまむと:

  • 「デプロイ」を表現するイベントを作ることができる
  • 進捗 (e.g. 成功、実行中, etc.) を表現できる
  • (「デプロイ」を表現するイベントに紐付くメタデータ (e.g. 説明、payload) を作ることができる)

……という具合である。

つまり GitHubAPI は具体的なデプロイのタスクについて責務を負うことはなく、「デプロイ」というイベントをリポジトリにアーカイブしそれらを通知する責務のみを負う、ということになる。Webhook のひとつと言い換えてもよい。

Deployments API と Commit Status API の context について

Deployments を作成する時に required_contexts というパラメータを渡すことができる。

ドキュメントには:

By default, commit statuses for every submitted context must be in a ‘success’ state. The required_contexts parameter allows you to specify a subset of contexts that must be “success”, or to specify contexts that have not yet been submitted. You are not required to use commit statuses to deploy. If you do not require any contexts or create any commit statuses, the deployment will always succeed.

……とある。

つまり、これから作成する Deployments が参照しているコミットの Status について、required_contexts で指定して context に対応する Status が成功した状態であることを求める、ということになる。

context については、Commit Status API において:

Statuses can include a context to indicate what service is providing that status. For example, you may have your continuous integration service push statuses with a context of ci, and a security audit tool push statuses with a context of security. You can then use the combined status endpoint to retrieve the whole status for a commit.

……とある。

たとえば Jenkins でのビルド状態を表す ci/jenkins であるとか、ステージング環境におけるチェックを表す check/staging などが、考えられる。

実際には、これら2つの API を組み合わせて、たとえば次のようなワークフローが考えられるかもしれない:

  • CI でビルドが成功すると Commit Status APIci/jenkins が成功したとラベル付けされる
  • 手動でのステージング環境におけるチェックが済んだら「hubot: staging is ok」と発言すると Hubot が Commit Status APIcheck/staging が成功したとラベル付けされる

実際のイメージ

staging でのチェックが進行中で、大安を待つことは既に成功している、ということが伺える。

staging のチェックも完了した。"Caution to Merge" も消えている。

まとめ

Handlebars テンプレートをコンパイルした結果をファイルに出力する gulp タスク

aereal/gulp-handlebars-playground · GitHub

HTML を出力するためのタスクを用意してみた。

  • gulp
    • gulp-data
    • gulp-compile-handlebars
    • gulp-rename

……を使った。

gulp-data

stream に data を追加できる。

gulp-compile-handlebars などのようにパラメータを受け取る gulp のプラグインがサポートしることが条件。

パラメータに渡すオブジェクトを JSON ファイルや DB から引いて作りたい、という時に同期的に見えるような書き方ができるように隠蔽してくれる。

Ansible の Variables の名前付けとデフォルト値の上書き

role で使う変数の名前が衝突しないよう配慮すると、素朴に辞書を定義して名前空間を導入したいと考えると思う:

--- # roles/mackerel-agent/defaults/main.yml
mackerel_agent:
  pid_file: '...'
  id: '...'

ところが Ansible の Variables は辞書の deep merge を行ってくれないので、デフォルト値の一部上書きができない:

--- # host_vars/app001.yml
mackerel_agent:
  id: '...'
  # !!! mackerel_agent.pid_file が未定義になる !!!

なので辞書を用いて衝突を回避するのは諦めて、気をつけるしかなさそう:

--- # roles/mackerel-agent/defaults/main.yml
mackerel_agent_pid_file: '...'
mackerel_agent_id: '...'

テストの妥当性

ソフトウェア開発におけるテストは仕様の表現のひとつという風にも扱われるなど、重要な役割を担う一方で、テスト自体の妥当性の検証や保証は少なくて、こういう不安定な土台の上でいろいろやっていいのか、という気がする。

レビューする時には、まずテストコードを眺めて、大抵が自然文で表現された仕様と照らし合わせながら、矛盾がないかとか足りないテストケースがないか、とか考える。

ソフトウェアテストについてちゃんと勉強していけば、どういうテストケースが必要か *1 とかどういう風に表現すればよいか *2 はわかってくると思う。けど、人間の知識や理解に委ねられている、というのはどうにも不安に思える。

テストに対するテスト、メタテストみたいなのがあって、こういうテストケースが足りていない、とかわかるとよいと思う。

今思ったけど、カバレッジとかがそれにあたるのではないか、と思った。

今のチームでは一日に一回、カバレッジをとっていて、たまに眺める、という風になっている。本当はトピックブランチなどでテストの追加・削除を行ったらその都度カバレッジの変化が見れるとよいのだろうと思う。

*1:正常系、異常系、境界条件など

*2:stub, mock, など

Module が要求する実装を宣言して、実際に要求を満たしているか検証する

タイトルにあることを Ruby でやる実装を書いた:


aereal/module-requirement · GitHub

Swift / Objective-C の protocol は具象クラスがメソッドを実装していることを要求できるので、Ruby でも似たようなことをやってみる、というコンセプト。

使い方

require 'module/requirement'

module Iterable
  include Module::Requirement
  include Enumerable

  requires :each
end

class List
  include Iterable # => Module::Requirement::Error::NotMeetRequirements List must implement required methods: each
end

Iterable という each メソッドが定義されていることを期待するモジュールを定義して、List というクラスは Iterableinclude しようとするけど要求されている each メソッドの定義を持っていないので例外が発生する、という様子。

うれしいところ

Ruby はコアに EnumerableComperable といった「要求されるメソッドさえ定義しておけば、後はいい感じに便利なメソッドを使える、というモジュールが用意されている。

そのようなモジュールを自分で定義して提供するときに、要求する実装 (= メソッド) を宣言的に書けて、あまつさえ (実行時でも) 検証してくれるので便利。

いけていないところ

Module::Requirementinclude したモジュールを include する時点で構造を検証するので、次のように書いてもエラーになる:

class List
  include Iterable

  def each
    # ...
  end
end

静的検査に近づこうというコンセプトなので、仕方がないと思いつつ、どうにかなるとよいと思う。

include すると要求するメソッドのボディを raise NotImplementedError と定義する、というのはありかもしれない。